『防音とは』音のエネルギー(=波動エネルギー)を遮ること

楽器を演奏される方はもちろん、ご自宅で音楽や映画鑑賞を楽しむ時やテレワーク時など、
外部や家庭内への騒音を気にされている方も多いのではないでしょうか?

今回は基本的な『防音』についてです。

よく耳にする言葉ではありますが、『防音』って一体どういうことを指すのでしょうか?

防音とは

音は空気や固体を振動し、伝わります。

その振動(波)の中で人間の五感で感じ取れる部分が、生活する上での音(オト)と呼ばれるものです。

防音の要素として、音のエネルギーを少なくするために「遮音」・「防振」・「吸音」など様々な方法が取られますが、その全てを加味して“防音” となります。

音には種類がある

音はその伝わり方によって、おもに2 種類に分けられます。

防音を検討する際には、音の種類によって防ぎ方が違う点を踏まえて、音の種類をしっかり見極めなくてはなりません。

空気伝搬音

人の話し声や楽器等の音源から放出された音が、空気中を伝わっていく音です。

空気伝搬音の音レベルは、音源から近いほど大きく、離れるほど小さくなります。

またカラオケルームのドアを閉めると音が小さくなるように、ドアや塀などの遮塀物によっても減退します。

固体伝搬音

振動源から発生した振動や衝撃が、建物の床や壁、天井等を伝わり、空気中に音として放射する音です。

建物内の騒音問題では、床衝撃音、設備機器の騒音、給排水音、扉の開閉音、エレベーター音などの固体伝搬音が多いです。

固体伝搬音を防ぐには、一般的に防振材による振動緩和などが効果的ですが、空気伝搬音に比べて伝搬経路上の減退は小さく、建物の構造等によって異なります。

防音の方法

音がある空間(発生場所)から、ある空間(現在地)まで下記のような方法で軽減された分のエネルギーが「防音効果」となるわけです。

遮音

「遮音」とは、空気中を伝わってくる音を跳ね返すことで遮断し、外部へ音が漏れないようにする方法です。

遮音をすることで外部へ漏れる音のレベルは抑えられますが、遮音性能を高めることで、室内で音が跳ね返り、反響するリスクが考えられます。

その場合、音が聞き取りにくくなる・聞こえる音そのものが元の音と変わってしまうことがあります。

防振

「防振」とは、振動源から発生した振動や衝撃が、建物の床や壁・天井等へ伝達するのを防ぐ方法を指します。

先述の固体伝搬音は、建物の構造物を振動させて音となるため、離れた部屋にまで音が伝達してしまいます。

吸音

必要以上の反響を抑えるために大切なのは「吸音」です。

素材が音を吸収することで音の反射を防ぎ、室内における音の反響を抑ます。

吸音をすることで、音がクリアで聞きとりやすくなりますが吸音をしすぎてしまうと、響きのない物足りない音になってしまうという面があります。

防音の考え方

日常生活の空間では、人間に聞こえる音から聞こえない音までありますが、私たちは常に音の中で生活しています。

とても静かだと感じているときにでも、30dB(デシベル)程度の音は存在していると考えていいでしょう。

ある場所で特定の発生源からの音を対象として考える場合に、対象の音がない時の、発生源以外から発生している音の大きさを「暗騒音」と言います。

左図で言うと、紫色部分が「暗騒音」に該当します。建築物において、音のエネルギーをゼロにすることは、現実的には困難です。

しかし暗騒音レベルまで対象の音を軽減することができれば、周囲に対して「あまり気にならない音」と呼べ、さらに暗騒音値よりも10dB 以上小さい音になれば「全く気にならない音」と呼べるようになります。

とはいっても暗騒音は住環境により異なり、また人間の感覚には個人差があること、そして感情も影響することから、防音の程度は全ての人に同じように当てはめることはできません。

そもそも『音』とは何でしょうか?

『音』とは簡単に言うと、空気や物体の振動です。
例えば、太鼓を叩くと太鼓に張られた皮が振動し、音が出ているところを見たことがあるかと思います。

なにかのきっかけによって、圧力が変化して空気や物体が振動し振動によって発生する「波」は、空気中のような気体や、液体、固体の中を伝わります。

この「波」が人間の耳に入り、鼓膜を振動させ、それが神経によって脳に通じて、人は音を認識するのです。そのため「真空」の空間では振動を起こすものがないため、音が発生することはありません。乗り物や生活機器が出す音、街の雑踏、人の声、自然界の音、そして音楽・・・

私たちは、暮らしの中で様々な音に囲まれて生活をしています。一般的に、不快に感じる好ましくない音を騒音と言いますが、その感じ方は人それぞれ主観的な面があるのです。

以上で、基本的な『防音』についてご理解いただけたのではないでしょうか?
感覚だけで防音性能を判断することは、様々なトラブルの要因になりかねません。


D.S.P では日本工業規格・日本建築学会等で定められた測定方法・数値を基準として、お客様に防音の説明とプランニングをご提案いたします。

防音室をご検討の方、防音についてもっと知りたい方、お気軽にお問い合わせください!

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