思い切りグランドピアノが弾ける環境へ|グランドピアノの防音対策

多くの人が一度は聞いたことがあるだろう、ピアノの音。
一口に「ピアノ」といっても、キーボード・電子ピアノ・アップライトピアノ・グランドピアノと様々あります。
それぞれに特性がありますが、今回の記事では、憧れのグランドピアノに関して掘り下げていきましょう!

グランドピアノ防音対策|まずはピアノの“音色”について

コンサートホールやピアノのレッスン場には、グランドピアノが備え付けられていることが多いかと思います。なぜかというと、アップライトピアノと比べて「音色の幅が広がる」からです。

グランドピアノの特徴の一つとして、なめらかに伸びるクリアで多彩な音色が挙げられますが、 これはピアノの音を響かせる構造に理由があります。

ピアノは、中に張られた弦を「ハンマー」で叩くことで音が出ますが、その音を増幅させる「響板」が大きな役割を持ちます。響板は簡単に言うと、「音の出口」。

内部が水平に広がる構造のグランドピアノは、屋根のある上側とピアノの下側へ音が出ていきます。

比べてアップライトピアノの場合は背中側から音が出ます。

構造上、グランドピアノはこの響板を大きくすることも可能であり、それらを踏まえると、グランドピアノは繊細な音から迫力のある音まで、空間に響かせることができるのです。
(ピアノのサイズによっては、アップライトピ
アノの方が大きいものもあります)

グランドピアノの“タッチ”と“ペダル”の防音について

日頃アップライトピアノで演奏することが多い方がグランドピアノを弾く場合、手につく鍵盤のタッチ感の違いを感じるでしょう。 アップライトピアノのハンマーは前から打ち、スプリングの力で元の位置に戻ります。

一方グランドピアノのハンマーは弦を下から打ち、それ自体の重さで元の位置に戻ります。その違いか ら、グランドピアノでは指の動きを無駄なくハンマーに伝えて打弦することが可能であり、音を 出した後に鍵盤を元の位置へ完全に戻さず、次の音を弾くことが出来るのです。

そのため、一般的なグランドピアノでは 1 秒間に 14 回程度の連打が可能ですが、アップライトピ アノでは 7 回程度に留まります。トリルなどの細かな打弦に繋がりますね。

次にペダルの効果について。
ピアノには基本的に 2 つもしくは 3 つのペダルがありますが、働きや効果は各々異なります。例えば一番左にある「ソフトペダル」。
アップライトピアノの場合、ハンマー全体が弦に近寄り打弦距離が縮まることで音をソフトにする働きがあり、グランドピアノの場合は打弦の位置をずらし、音量だけでなく音色や音の伸びを変化させる働きがあります。

このように、グランドピアノではより高度で繊細な表現ができ、作曲家や演奏者が曲に込めた豊かな音を奏でることが叶います。

マンションなどの集合住宅においてよく耳にするグランドピアノのクレームは、「ペダルを踏む音がうるさい」といったもの。 グランドピアノの魅力の一つであるペダルの効果が、近隣への騒音に繋がってしまうのはとても残念なことです。しっかりとした防音対策をとり、演奏者・近隣のどちらにとってもストレスの ない環境を創りましょう。


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マンションにグランドピアノ防音室を施工されたN様。

サッシタイプの防音室のため、生活する空間と音楽をする空間が分断されていない、一体感のあるお部屋になりました。既存の窓を残した、開放感たっぷりの防音室です。

マンション(集合住宅)の防音対策は、階下への個体振動音を防ぐのがポイント

『マンションなどの集合住宅においてよく耳にするグランドピアノのクレームは、「ペダルを踏む音がうるさい」といったもの』でした。

弊社も「ピアノの下にマットを敷いて演奏していたが、下階の住人からクレームがきてしまった」「上階から聞こえるトコトコという音が気になる」などといった相談をいただくことがよくあります。

グランドピアノの魅力の一つであるペダルの効果が、近隣への騒音に繋がってしまうのはとても残念なことです。しっかりとした防音対策をとり、演奏者・近隣のどちらにとってもストレスのない環境を創りましょう。

グランドピアノ防音対策の基本!

グランドピアノを自宅に設置する場合、やはり周囲への音漏れが気になりますよね。

音の伝わり方や防ぎ方は、戸建てなのか、マンションなどの集合住宅なのか、また建物構造(RC 造・鉄骨造・木造)によっても変わってきますが、グランドピアノの防音対策は基本的に、「空気伝搬音」と「固体伝搬音」の両方に必要です。

空気伝搬音とは、ピアノから出た音。
鳴らした音が空気を通して伝わります。

固体伝搬音とは、鍵盤を叩く振動や、ペ
ダルを踏む時の振動が建材を通して伝わ
る音。ピアノは楽器本体が床に触れてい
るため、固体伝搬音も発生します。

音は床を伝わり、また壁や天井、床に入射した音が物体内に伝わり外部へ放射されます。
ピアノの防音対策は、壁だけではなく、天井や床も重要となるのです。

グランドピアノ防音対策いろいろ

グランドピアノの防音対策として、防音室を造る以外に、
・ピアノから出る音を吸音させるパネル
・消音ユニットを取り付ける

組み立て式の防音室を設置
・窓やドアを二重にする

などがあります。

ここで一つの疑問が出てきます。
よくある簡易対策として、ピアノ本体への対策と室内に対策するケースがありますが、これらはグランドピアノ本来の豊かな音を楽しむことができ、近隣への音漏れを気にせずに演奏できる対策なのでしょうか?

既存の窓やドアを二重にするといった対策をとった場合では、音漏れへの効果はありますが、固体伝搬音は防げません。

これらの対策を施す上で忘れてはいけないのは「本当に安心して音楽を楽しむことができる、ストレスフリーな空間になるのか?」ということ。
やはり防音性能が高い防音室を造ることで、用途や目的に合った音場環境を整えることが叶います。

グランドピアノ防音室とはどんなもの?

では、グランドピアノ防音室とは、一体どのようなものでしょうか?
防音室では、壁・天井・床に対して遮音・防振構造(浮遮音層)が基本的に必要となります。

浮いている空間(浮遮音層)を造ることにより、グランドピアノの空気伝搬音はもちろん、振動も減衰させる防振構造となります。

防音室内側の遮音部分と既存の遮音部分により、総合的な遮音性能を出す構造とします。
要するに、「お部屋(箱)の中にもう一つお部屋(箱)」を浮き構造で造ります。これを「ボックスインボックス構法」といいます。

快適に過ごせるグランドピアノの音空間を!

せっかく性能のいい防音室を造ったのなら、ストレスのない好みの音空間で演奏を楽しみたいで すね。

そこで注意したいポイントのひとつは、お部屋の広さ。
防音室として一室丸ごとリフォームをする場合、現状より一回り小さい仕上がりとなります。 グランドピアノ防音室であれば、メーカーやサイズ・国産か外国産かによっても変わってきます が、仕上りの広さとして最低でも 4 畳程ないと不便です。

次に注意したいのは、音響。 遮音・防振はできても、グランドピアノが持つ本来の豊かな音を発揮できる音響に気を配ってい る防音室は多くありません。 音響対策がされているお部屋とそうでないお部屋では、同じ音でも全く違う音に聞こえてしまい ます。

音響を調整するには、遮音と吸音の両方を組み合わせることが重要です。 そこで効果的なのが、音響調整パネル。 高音域だけでなく、板振動により、中低音域まで吸音するものもあるため、用途や好みに合わせ た音響調整が叶います。

音響調整パネルのご参考はこちら↓

グランドピアノの特性に合わせた部屋の響きを、遮音・吸音の両方を考慮し、調整しましょう。

まとめ

憧れのグランドピアノを、周囲への騒音を気にせずに、自宅で好きな時間に演奏することが出来
たら・・・夢が広がりますよね!
防音対策はもちろん、魅力ある空間設計をご提案いたします。

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