音の単位【dB:デシベル】と遮音性能【D値】について

音のエネルギーを少なくする方法を知るには、まず音について知ることが重要です。
よく目にするdBやD値とは、なにを意味するのでしょうか?自身が納得のいく「防音工事」をするために、「音」や「防音」を知りましょう。

“音”とは、空気の振動のこと

様々な音や情報を耳から得る男性

「音」とは、簡単に言うと空気の振動のこと。音は、空気や固体を揺らして伝わります。
普段の生活では特に意識しませんが、空気にも重さがあり、重さがあるということは質量があり、質量があるということは、空気も振動します。何かのきっかけによって、圧力が変化して空気が振動する。
「音」とは、空気の振動が波(音波)として伝わる現象なのです。この波が人間の耳に入り鼓動を振動させ、それが神経により脳に通じて知覚されます。

“防音”とは、音のエネルギー(=波動エネルギー)を遮ること

ドラムセット

防音の要素として、音のエネルギーを少なくするために「遮音」・「吸音」・「防振」など様々な方法が取られますが、その全てを加味して“防音”となります。
音がある空間(発生場所)から、ある空間(現在地)まで上記のような方法で軽減された分のエネルギーが「防音効果」となるわけです。
つまり“防音”とは、音のエネルギー(=波動エネルギー)を遮ることなのです。

音の単位【dB:デシベル】とは

街の中にある騒音表示機

dB(デシベル)とは、質量や重さの量を表す単位ではありません。「ある基準に対して対数演算した相対値」を指します。音は空気の圧力が変化する現象なので、その強さを圧力(圧力の単位は【Pa:パスカル】)で表し、これを音圧といいます。音圧は、人間が聞き取れる最小の音圧である20μPa(マイクロパスカル)を基準として、その何倍かで表現します。ところが20μPa(マイクロパスカル)を基準としたとき、耳をつんざくような大音量では、音圧で100万倍以上、音の強さで約10兆倍となり、表現するのに扱いにくい桁数となってしまうのです。
そこである音の音圧【P】と基準音圧との比の2乗の対数をとって、次の式で表すようになり、これを音圧レベルといい【dB:デシベル】で表します。

音圧レベル(dB)を表す式

ちなみに、通常の会話の音圧レベルは約60dBで、音圧だと20ミリパスカル=1気圧の1000万分の2になり、ピアノの音圧レベルである約100dBは、音圧だと2パスカル=1気圧の10万分の2でしかありません。
「音」とは極めて小さな空気振動ということですね。

D値とは|遮音性能の表し方

防音室の性能を見る値として「D-50」などと表記されていますが、これは【D値】といい、壁や建物の遮音性能を示すものです。
JIS(日本産業規格)A1419「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法」で規定されているもので、2000年に改定されDr値に変更されていますが、D値=Dr値と考えて問題ありません。
隣り合う部屋の遮音性能を評価するための指標で、「D-45」「D-60」というように数字によって表します。壁に入る音(入射音)が、壁を通り抜けたあと(透過音)ではどれくらい小さくなるかを測定し、その音圧レベルの差となるdBを指標化したものがD値となります。

2室間における遮音性能を表す図

グランドピアノ防音室の右に隣り合う部屋を表した左の図だと、音源であるグランドピアノの音圧が100dB、隣室に抜ける音圧は50dB。
つまり右に隣り合う部屋に対する遮音性能は、100dBから50dBを引いて【D-50】になる、ということです。

遮音性能を評価する尺度として「遮音等級」が規定されています。
遮音性能の求め方は、中心周波数125、250、500、1000、2000、4000Hzの6帯域における音圧レベルの差を測定し、日本建築学会の遮音基準曲線にあてはめ、測定値がすべての周波数帯域においてある基準曲線を上回るとき、その最大の基準曲線につけられた数値によって遮音等級を表します。ただし、測定誤差などを考慮して各周波数帯域の測定値に2dBを加えることが許容されています。

遮音性能等級を表す表

次に「遮音等級と住宅における生活実感との対応例」と、日本建築学会による性能基準を併せて見ていきましょう。

遮音等級と住宅における生活実感(表)
遮音等級と住宅における生活実感との対応例
日本建築学会による性能基準(表)
日本建築学会による性能基準

居室では40~45dB程度が許容とされ、例えばピアノ室の場合だと、遮音性能D-50を確保すれば適用等級は1級、ある程度迷惑をかけずに済むということがわかりますね。ただしピアノと言っても、種類やメーカーなどによって音圧に差があります。建物構造や近隣環境、演奏スタイルなどによっても必要な遮音性能に違いがありますので、防音室施工をご検討されている方は、一度防音専門業者に相談してみると良いですね。

遮音・防振設計はなぜ必要なのか

D.S.P施工のドラムスタジオにて、ドラムを叩く男性

音は床を伝わり、また、壁や天井・床に入射した音が物体内に伝わり、外部や隣室に放射されます。そのためしっかりと性能のある防音室では、壁・天井・床に対して遮音・防振構造(浮遮音層)が必要となります。
D.S.Pでは、楽器の特性や使用用途、周辺環境から目標値を定め、防音室の設計を行います。
例えばピアノ室ならD-50~D-55程度、ドラム室など低音や振動まで考慮するお部屋の場合はD-65~D-70程度を目標値とします。ただし、これはあくまでも数値的な話なので注意が必要です。なぜなら人間の感覚には個人差があり、また人間の感情にも影響するものだからです。

隣室や隣戸の使用条件によって必要な遮音性能は変わりますが、近年楽器演奏音はわずかな音でも苦情になることが多々あります。近隣の方だけではなく、家庭内における騒音にも気を付けたいところ。
「音漏れの不安を感じることなく、それぞれの暮らしを楽しみ、守る」
そのための対策を、しっかりと取る必要があるのです。

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防音工事は、内装工事のような装飾的な部分ではなく、目に見えないところにコストがかかります。また、防音室の設計施工は各業者独自であり、材料から工程、管理方法、そして遮音性能の測定方法まで異なるものです。
決して安価なものではなく、失敗が許されない「防音室」。だからこそD.S.Pがなにより大切だと考えるのは、「お客様と目線を合わせた防音室をご提案すること」です。
お客様一人ひとり、使用楽器・演奏スタイルも異なる中で、住居環境や本体建物の構造、生活スタイルだってそれぞれ違うはず。遮音の面だけではなく、音響の面でも同じことです。
D.S.Pコーポレーションでは、各々のお客様のご要望に適った、オーダーメイドの防音室をご提案させていただきます。

D.S.Pの防音室は

D.S.P施工のドラムスタジオ

防音室を検討されているお客様にとって、重要なことの一つとして「遮音性能の信頼性」が挙げられるかと思います。「防音」は数値だけで判断することが難しいですよね。
性能を体感してもらうために、ショールームを用意している防音業者も多くありますが、防音条件の良い環境に設置されたショールームでの体感で、果たして本当に安心できるのでしょうか?

防音室をご検討されるお客様ひとり一人にとって、条件の良いショールームをご案内することよりも、実際に施工した防音室をご見学いただく方がより現実的であると私たちは考えます。そのため、最終的な判断として、お客様の条件に合うD.S.Pで施工した防音室へのご見学をおすすめしております。
遮音性能の体感だけではなく、実際の居住環境において楽器を設置した場合のスペース、サッシタイプの防音室の使い心地といった、すでに防音室をご活用いただいている施主様の生の声も判断材料の一つになりますね。

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まとめ

dB(デシベル)やD値、遮音性能に関しておわかりいただけましたでしょうか?
防音室が完成してから「思ったより音が聞こえる…」そんなことになってしまっては大問題です。 もちろん数値も重要ですが、人間の感覚は主観的なものなので、防音の程度が全ての人に当てはまるわけではありません。
「音」や「防音」について少し知識があれば、自分でも納得のいく「防音工事」をする近道になるかと思います。
ご質問やご相談はお気軽にしてくださいね!

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