防音のプロが解説!自宅でピアノ教室を開く際のポイント

自宅でピアノを教えたい!ピアノ教室を開きたい!
そんな方も多いのではないでしょうか?
自宅にピアノ教室を開講する際にやらなくてはならないこととして、開業届の提出や集客など様々ありますが、本記事で解説するのは「自宅でピアノ教室を開く際の防音対策」についてです。
実際に自宅ピアノ教室として防音室を造られた方のインタビューも掲載していますので、ぜひご覧ください!

自宅でピアノ教室を開講するメリット

D.S.Pコーポレーション施工のピアノ教室
自宅でピアノ教室を開くメリットは「開業資金が抑えられる」「通勤が無く、時間の有効活用ができる」「レッスン内容を自分で決められる」といったもの。
月謝の設定も自由にできるため、生徒さんが集まれば、収入面でのメリットもありますね。
会社の方針に従わないといけないといったこともないので、そのような面ではストレスなく教えることができるのではないでしょうか。

自宅でピアノ教室|注意点とポイント

グランドピアノのペダル
自宅でピアノ教室をする上で、特に気を付けたいのは「騒音問題」
レッスン中の音に対する防音対策はもちろんですが、人の出入りが頻繁にあるため、近隣の迷惑にならないように配慮しなくてはなりません。
また自宅で家族が同居している場合は、家でくつろぐ家族がレッスン中の音を苦痛に思わないよう、外部にだけではなく、家庭内への音の配慮も大切です。

次に気を付けたいのは、プライバシーが確保できるような「導線」「間取り」にすることです。レッスン空間と生活空間をしっかりと分けることで、生徒さんの集中力が変わることに加えて、自身や家族のプライバシーを保つことにも繋がります。
トイレや出入口を分けることができたらなお良いですね。

自宅教室は不特定多数の人の出入りがあるため、ルールを設ける(教室以外の部屋には立ち入らない等)、施錠をしっかりするなど、防犯面でも気を付けましょう。

上記以外にも、「ピアノを何台置きたいか」「子どものレッスンの場合、サッシタイプの防音室にすることで授業参観が可能になる」「室内に譜面棚を造りたい」等、『どんなピアノ教室にしたいか』を考えて、オリジナルのピアノ教室にしましょう。

アコースティックピアノの防音対策

D.S.Pコーポレーション施工 リビングから見えるサッシタイプの防音室
アコースティックピアノの防音対策として、ピアノから出る音を吸音させるパネルや、消音ユニットを取り付ける、組み立て式の防音室を設置、窓やドアを二重にする、お部屋を一室丸ごとピアノ防音室にするなどあります。
ピアノ本体への対策と室内に対策するケースがありますが、これらはアコースティックピアノ本来の豊かな音を楽しむことができ、近隣への音漏れを気にせずにレッスンできる対策なのでしょうか?

例えば消音ユニット付きピアノをみてみましょう。
消音演奏中でも、上下階や左右のお部屋にコトコトという打鍵音及びペダル音が伝わってしまうことがあります。そして消音機能使用中に聞こえる音は、生の音ではなく電子音です。
組み立て式の防音室を設置しても、防音室内の広さ等の問題から、豊かな音響を楽しめる快適な空間とは言い難いでしょう。
既存の窓やドアを二重にするといった対策をとった場合では、音漏れへの効果はありますが、固体伝搬音は防げません。

防音対策を考える上で忘れてはいけないのは「本当に安心して音楽を楽しむことができ、ストレスなくレッスンを行える環境になるのか?」ということ。
「騒音のクレーム」は、きてしまってからの対策では遅いものです。(一度気になってしまった音は、余計気になりますよね…)
やはり、しっかりとした防音性能があり音響が計画された防音室を造ることで、ピアノ教室としての環境を整えることが叶うと言えるでしょう。

ピアノの防音対策を行う上で重要なこと

D.S.Pコーポレーション施工 サッシタイプのピアノ防音室
自宅でピアノ教室を開く際、戸建てでもマンションでも、近隣への音の配慮はとても大切なこと。
音の伝わり方や防ぎ方は、戸建てなのか、マンションなどの集合住宅なのか、また建物構造(RC造・鉄骨造・木造)によっても変わってきますが、アコースティックピアノの防音対策は基本的に、「空気伝搬音」「固体伝搬音」の両方に必要です。

防音室における遮音・防振設計の必要性

空気伝搬音とは、ピアノから出た音。鳴らした音が空気を通して伝わります。
固体伝搬音とは、振動が建材を通して伝わる音。ピアノは楽器本体が床に触れているため、固体伝搬音も発生します。マンションなどの集合住宅での騒音クレームに繋がる「ペダルを踏む音」や「鍵盤を叩く音」は、固体伝搬音になります。

音は床を伝わり、また壁や天井、床に入射した音が物体内に伝わり外部へ放射されます。ピアノの防音対策は、壁だけではなく、天井や床も重要となるのです。

【BLOG】下の記事ではグランドピアノの防音・防振対策について詳しく解説しています。是非ご覧ください!

ピアノ防音室はどんなもの?

では、ピアノ防音室とは一体どのようなものでしょうか?
防音室では、壁・天井・床に対して遮音・防振構造(浮遮音層)が基本的に必要となります。浮いている空間(浮遮音層)を造ることにより、ピアノの空気伝搬音はもちろん、振動も減衰させる防振構造となります。
防音室内側の遮音部分と既存の遮音部分により、総合的な遮音性能を出す構造とします。

要するに、「お部屋(箱)の中にもう一つお部屋(箱)」を浮き構造で造ります。これを「ボックスインボックス構法」といいます。

快適に過ごせる音空間を!

D.S.Pコーポレーション施工 防音室
せっかく性能のいい防音室を造ったのなら、ストレスのない好みの音空間で演奏を楽しみたいですね。
そこで注意したいポイントのひとつは、お部屋の広さ。
防音室として一室丸ごとリフォームをする場合、現状より一回り小さい仕上がりとなります。
ピアノ教室として使用する場合、レッスン内容、ピアノのメーカーやサイズ、台数などによって変わってくるため、仕上りの広さを考慮して計画しましょう。

次に注意したいのは、音響。
遮音・防振はできても、アコースティックピアノが持つ豊かな音を発揮できる音響に気を配っている防音室は多くありません。
音響対策がされているお部屋とそうでないお部屋では、同じ音でも全く違う音に聞こえてしまいます。先生にとっては毎日過ごす仕事場のため、長く居ても疲れない、居心地の良い防音室でなくてはなりません。
しっかりとした遮音・防振設計に加えて、ピアノの特性に合わせた室内音響設計が施されている防音室を計画してくださいね!

自宅にピアノ教室|施工例をご紹介!

ピアノを演奏する子ども
実際に自宅にピアノ防音室を施工し、ピアノ教室を開講されている方の施工例をご紹介します。
ピアノ防音室を造ってからの近隣の反応や、レッスンの様子、レッスン以外での用途などお話いただいていますので、ぜひご覧ください♪


自宅でピアノ教室を開く際のポイントがおわかりいただけたでしょうか?外部や家庭内への音漏れを心配することなくレッスンに打ち込めたら、より充実した音のある暮らしになりますね。
閉鎖的な防音室はちょっと…という方、大人向けの重厚感のある教室にしたい方、リトミックができる教室にしたい方など、一人ひとりイメージは異なります。
D.S.Pコーポレーションでは丁寧なヒアリングのもと、魅力ある空間設計をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談くださいね!

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