「マンションを購入前に防音室を設置できるかどうか気になる」というお問い合わせをよくいただきます。
新築・中古マンション購入前に、ピアノやギター、電子ドラムなどの音楽活動に合わせて防音室を設置したいと考える方が増えているようです。
マンションで希望の防音室を作るための条件や注意点を、購入前にしっかり確認しておきましょう。
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最も多いマンショントラブルの原因は騒音
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」によると、マンションでの「トラブル発生状況」は「居住者間のマナーをめぐるトラブル」が60.5%と最も多く、その中でも「生活音」によるトラブルが43.6%で最多です。

トラブルの発生状況
居住者間のマナー | 60.5% |
---|---|
建物の不具合 | 31.7% |
費用負担 | 24.2% |
居住者間のマナーをめぐるトラブルの内容
生活音 | 43.6% |
---|---|
違法駐車 | 18.2% |
ペット飼育 | 14.2% |
騒音トラブルは年々増加傾向にあり、マンションの規約では「〇〇時まで楽器演奏可」とされていても、実際には苦情が起きてしまい、演奏できなくなるケースもあります。
「高い費用をかけて防音室を造ったのに音が漏れて苦情が来てしまった」というご相談もいただきますので、使用目的に合った防音室の計画をおすすめします。
建物の構造①(材料別)
選択する構造によって、耐震性、耐久性、居住性、コストが異なります。
マンション選びの際には、建物の構造も重要なポイントです。
鉄骨造(S造)
- 鉄骨を主要な構造材に使用
- 比較的軽く耐震性が高い
- 中層(3~5階建て)のマンションに多い

鉄筋コンクリート造(RC:Reinforced Concrete)
- 鉄筋をコンクリートで覆った構造
- 耐久性・耐火性が高い
- 中高層(4~10階程度)で使用される

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC:Steel Reinforced Concrete)
- 鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた構造
- 耐震性・耐久性が高い
- 高層マンション(10階以上)で使用される

建物の構造②(組み立て方法別)
マンションは材料の組み立て方でも構造が分かれます。
防音工事にも影響を与えるため、それぞれの特徴を確認しましょう。
ラーメン構造(RC造、SRC造、S造)
ラーメン構造は、柱と梁で支える骨組み構造が特徴です。
構造設計がシンプルなので、間取りや扉、窓の配置の自由度が高く、防音工事を含むリフォーム等も比較的容易に行えます。
ただし、柱や梁が大きくなりやすく、工法によっては空間に出っ張っているので、その点も考慮する必要があります。

壁式構造(RC造)
壁式構造とは、柱や梁を使用せず、各階ごとに壁と天井を組み立て、その後コンクリートを打設する方法です。壁式構造は複数の層を積み重ねることで形成されます。
壁式構造は非常に丈夫で、ラーメン構造のような凹凸がありません。しかし、壁を壊すことに制約があるため、間取りの変更が難しく、防音室が狭くなる可能性があります。

マンションで防音室を施工する際の注意点とポイント
天井の高さに注意
D.S.Pでは、ボックスインボックス構法という手法を採用しており、部屋の中にもう一つ浮構造の防音室を造ります。そのため、元のお部屋よりも少し狭くなる場合が多いです。
建築基準法では、天井の高さは最低でも床面から2100mmと定められています。

躯体の高さ(解体工事不可の場合は既存のお部屋の天井の高さ)を基に、工事の可否や防音室施工後の天井の高さを決定します。
図面と実際の状況が異なる場合があるため、事前に防音業者による現地調査を行うことをお勧めします。
解体工事の可否を確認する
マンションごとにリフォーム工事に関する規約が異なります。
例えば、解体工事ができない場合、前述の通り施工が難しくなるだけでなく、希望よりも天井が低くなる可能性があります。
マンションの管理規約を事前に確認しておくことが重要です。

コンクリートの厚みと防音効果
一般的に、木造や鉄骨造に比べて、鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造の方が遮音効果が高いです。
また、コンクリート自体の厚みが増すほど、遮音性能が向上します。
そのままのお部屋では楽器を大きな音で演奏することは難しいかもしれませんが、より高い防音効果を持つ防音室の施工が可能になります。
マンションでの生ドラム防音室は難しいケースがほとんど
仕上がり天井高や荷重、施工方法の制約から、マンションでの生ドラム防音室の施工は基本的に難しく、D.S.Pでは原則として推奨しておりません。
ただし、建物の構造・天井の高さなど特定の条件を満たせば施工が可能なケースもあります。
マンションの防音室の施工例
1.マンションのピアノ防音室の施工例
お子様の音大受験に向けて自由に練習が出来るよう、グランドピアノ防音室を施工されたA様。
将来的に音楽教室として使用するところまで想定して、防音室の計画を立てられました。
近隣の方々に気を遣いなかなか練習をすることができなかったけれど、自分のペースで集中して練習できるようになった、とお喜びいただきました!
2.マンションのバイオリン防音室の施工例
住んでいたマンションの組合の決まりで、平日の演奏可能な時間はお仕事、お休みは合わせの練習の為、一人で練習する時間が全く取ることができなかったK様。
マンションを購入し、防音室を造ったことで時間を気にせず練習できるようになり、音楽仲間と集まってアンサンブルもするようになったそうです!
また、「D.S.Pスタッフのスピード感のある対応が決め手になった」とお喜びいただきました。
3.マンションのクラリネット防音室の施工例
東京都交響楽団でクラリネットを演奏されている糸井様。
プロの演奏家は返ってくる楽器の音を聴きながら演奏するので、防音業者を選ぶ際は防音室の音響面を非常に重視されていたそうです。
騒音の苦情も一切なく、D.S.P音響調整パネルを活用して響きや反響を調整しながら、快適な環境で演奏されており、「防音工事をして良かった」とお喜びいただきました。
4.マンションの楽器練習室(歌、ギター、ベース、電子ドラム、ライブ配信)の施工例
防音室作りのために中古マンションを購入し、歌とギターをメインに、ベースや電子ドラムを含むバンド演奏が可能な防音室を造られたHiraku様。
RC構造だと思って内見した物件が、実はSRC構造だったため不安があったものの、近隣の状況を考慮し、適切な補強を行えば問題なく防音室を造れることをご提案しました。
「お金をかけたのに近隣からクレームが出ないかが一番の心配事だった」とのことでしたが、個人での楽器演奏なら深夜でも問題がないほどの防音性能が実現できたと、ご満足いただきました!
お気軽にご相談ください。
D.S.Pでは、高い技術力を活かし、お客様にご満足いただける防音室の施工を行っています。
もし、防音室を設置するためのマンション選びでお悩みでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。
最適なアドバイスをさせていただきます。
※物件のご紹介は行っておりません。予めご了承くださいませ。
また、お客様のご協力を得て、D.S.Pで施工した防音室の見学や、その防音性能を実際に体験していただくことも可能です。
お問い合わせフォームやお電話(0120-78-1416)にて、お気軽にご相談ください。しつこい営業は一切行いませんので、ご安心ください。