『新築戸建て』の”ドラム防音室”ってどうやってつくるの?気になる質問にプロが回答します

せっかく新築の戸建てに住むのなら、近隣や家族に迷惑を掛けずに、長年の夢だったドラムを叩ける家にしたい!
そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回の記事では、新築戸建てにドラム防音室を造る際の流れや、よくあるご質問にお答えしたいと思います!

新築戸建てにドラム防音室をつくるメリットやデメリット


・新築戸建てを注文住宅で土地から計画している方
・建売の新築戸建て住宅を購入予定の方
すべて未定で新築戸建て住宅を検討しだした方・・・様々な方がいらっしゃるかと思いますが、どのタイミングで防音工事のプランニングを進めるのが良いのでしょうか?そしてメリットは??

新築の場合は、注文住宅か建売住宅かの2つのパターンに大別されます。

注文住宅にドラム防音室を計画の場合

設計の段階から防音工事業者に相談することで、
・建築確認申請時の仕様(防音室を居室で申請するか納戸で申請するか)
・工事仕様・施工区分等
などを、ハウスメーカーや工務店と協議の上で防音室部分のプランニングをすることが可能になります。

防音室を施工する目的や用途によって、お部屋の寸法は変わるため、それを前提としてお部屋の広さや間取り、天井高をある程度決めることができますね。
建物本体工事のハウスメーカーによりますが、同時施工ができれば、解体工事費用や内部養生費等のコストダウンに繋がることもあると思います。

また、建物の竣工引き渡し時に合わせて防音室の工事も完了することができるため、時間的なロスが減るというメリットもあります。
ただし保証等の面から、ハウスメーカーや工務店側で他社の同時施工を認めない会社もあるため、業者選びの際は確認が必要です。

仮に同時施工ができなくとも、住宅の設計段階からハウスメーカーや工務店と防音工事業者が事前打合せできることで、効率の良い防音室の設計施工が可能になります。
例えば木造戸建ての場合、梁補強工事が大きなポイントです。

防音工事は通常の内装工事と比べ、多く資材を使用するので、耐荷重を考慮する必要があります。そのため、梁にかかる荷重を分散する為に、通常の住宅よりも梁を増やして施工しなければなりません。

建物本体工事の際に梁補強をしておくことが可能な場合、全体的な工事予算の抑制に繋がります。
次に工事区分を、事前にハウスメーカーや工務店側、防音工事業者側とで決めることにより、無駄な費用の発生や手間を抑えることができます。

建売住宅にドラム防音室を計画場合

建物の契約形態にもよりますが、ほとんどの場合、住宅の本体工事が全て終わり施主へ引き渡し後に、防音工事業者が【リフォーム工事】として防音室を施工することになります。
その場合はデメリットとして、出来上がったばかりのお部屋を解体するところから始めることになるため、無駄なコストが生まれてしまいます。

建物のハウスメーカーや工務店と同時進行で防音工事業者を決める場合でも、同時施工が不可だと、上記と同じく【リフォーム工事】として防音室を施工することになります。

新築戸建て1階と2階でのドラム防音室の違いはどうなの?|窓は造れる?

1階と2階でのドラム防音室の違いについて

基本的に生ドラム防音室は、耐荷重や仕上りの天井高などの問題から、D.S.Pでは木造の戸建て住宅2階以上には施工することができません。

生ドラム防音室を建物に造る際、建物に対して常にかかっている荷重は、防音室の資材や、ドラムセット、人の重さなどを含めるとおおよそ15t
木造戸建て住宅の場合、2階の段階で掛けられる耐荷重に限りがあるため、生ドラム防音室の施工は厳しいと言えるでしょう。

電子ドラム防音室を施工する場合は、あらかじめハウスメーカーや工務店と構造などを打合せすることで、木造の戸建て住宅2階以上でも可能です。

新築戸建てのドラム防音室に『窓』を設置できるのか

防音室と聞くと、閉塞感のある重い雰囲気のお部屋が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。


重厚感のあるお部屋もかっこいいですが、窓から光が差し込む防音室も素敵ですよね。
スペックの高い防音室に窓を設置することは可能なのでしょうか?
結論としては、できます。

防音効果の高い窓を使用することで、お部屋の遮音性能を確保しつつ、窓から差し込む明かりを取り入れることが可能です。
しかし、何重にもサッシを入れなくてはならないため、コストがとてもかかってしまいます。
目的や用途、周囲の環境などを考慮し、予算と合わせたプランニングをしていきましょう。

また既存の窓を残したまま防音室を施工することも、場合によっては可能です。

ただしガラスには「コインシデンス効果」という音がガラスから抜ける性質があり、これにより特定の周波数の音が抜ける(板厚によって抜ける周波数が異なる)といった現象が生じます。目的や用途の周波数に適したガラスを選択しなくては、遮音という面では効果が得られない可能性があるため、非常に注意が必要です。

D.S.Pで施工した新築ドラム防音室の施工例をご紹介

戸建て住宅を新築で建てられる際に、ドラム防音室を施工されたI様。

建物本体工事のハウスメーカーと防音工事業者のD.S.Pが連携することで、施主様・ハウスメーカー・防音工事業者の三者で綿密な打合せをすることができました。
こだわりのつまったドラム防音室で、充実した「防音室のある暮らし」を満喫されていらっしゃるようです。

防音室ありきで戸建て住宅の計画をされていたS様。

家を探すのと同時に防音室の施工業者を探され、生ドラム防音室とピアノ教室のあるご自宅が完成しました。
ドラム防音室に調光可能なスポットライトを2列取り入れることで、演奏空間としてだけではなく、暗めの部屋でドラムセットを眺めながら、お独りの時間を楽しまれているようです。

新築戸建てを計画される際に、ドラムスタジオの施工を検討されたS様。

建物本体工事と同時進行で防音室を造られたため、全体の予算の中でどれくらいの費用を防音室にかけられるかプランニングを進めていくことができました。
防音室が家の一部であると、音楽がより身近になりますね!
ドラム防音室の性能動画もあるので、ご覧ください。

ドラム防音室の防音性能はどのくらいのレベルが必要でしょうか?

ドラムセットから出る音のパワーレベルは、大人だと100dB~、子どもでも80~100dB、プロのドラマーだと120dBほど。

120dBとは、飛行機のエンジン付近にいるのと同じ程度のうるささです。
ドラムの特性でもある幅広い音域をみても、高音域は吸音・遮音しやすいですが、低音域は
吸音・遮音がしにくいため、注意が必要です。

音が伝わることを「音の伝搬」と言い、壁があれば音は小さくなり、これを「遮音」と言います。

この音の小さくなる値は「D 値」で示されます。
例えばドラムを120dB で演奏し、隣の部屋で50dB の大きさで聞こえるケースでは、遮音性能は120dB から50dB を引いた数値、すなわち“D-70”と示します。

生ドラム防音室では通常、目的や近隣状況にもよりますがD-65〜70、平均D-70程で施工します。
隣室や隣戸の条件によって必要な遮音性能は変わりますが、近年わずかな音でも苦情になることが多々あります。防音性能の高いドラム防音室を造らなくては、安心して音を楽しめる環境にはならないでしょう。

D.S.Pが施工するドラム防音室!

防音性能の高いドラム防音室とは、一体どのように造るのでしょうか?

まず防音室では、壁・天井・床に対して遮音・防振構造(浮遮音層)が基本的に必要です。
浮いている空間(浮遮音層)を造ることにより、ドラムセットから鳴る音はもちろん、キックペダルを踏むことで床に伝わる振動などの固体伝搬音も減衰させる防振構造となります。


「お部屋(箱)の中にもう一つお部屋(箱)」を浮き構造で造ることを「ボックスインボックス構法」といいます。
防音室内側の遮音部分と既存の遮音部分により、総合的な遮音性能がとれるようにすることで、防音性能の高い防音室となります。

次に換気扇などの開口部。
防音室は構造上、隙間がなく、気密性がとても高いお部屋のため、通常の部屋よりも空気の入れ替えがしづらいものです。

建築基準法で、室内の24時間換気が義務付けられていることはもちろんですが、気密性の高い防音室内の湿気や空気の入れ替え・健康面という観点からも換気口を無くすことはできません。
防音室での換気口は、防音効果の高いものを使用し、そこからの音漏れを防ぐ必要があります。

ドラム防音室には最低でもどれくらいの広さが必要ですか?

お部屋を一室丸ごと防音室にする場合、現状より大分小さい仕上がりとなります。
仕上りの広さを考慮した上で、ドラム防音室を造りたい目的に合ったお部屋にしなくてはなりません。

電子ドラム防音室の場合は、収納部を含めて1壁あたり約20㎝程度狭くなり、例えば元が6畳のお部屋をボックスインボックス構法で施工すると、仕上り内寸で約4畳になります。

■元が6畳→約4畳仕上がり

生ドラム防音室の場合は、上記のお部屋にさらにもう一つ浮いたお部屋を施工するため、1壁あたり約40㎝程度狭くなり、例えば元が6畳のお部屋をボックスインボックス構法で施工すると、仕上り内寸で約3畳弱になります。

■元が6畳→約3畳弱仕上がり

個人でドラム演奏に使用したい場合、電子ドラムのセットをお部屋に設置する際は、仕上りで最低3.5畳程度(元のお部屋が5.5畳以上)必要です。生ドラムのセットをお部屋に設置する際も、同じく仕上りで最低3畳程度(元のお部屋が6畳以上)ないと、音響の面を見ても使いづらいお部屋になってしまいます。

バンド練習として使用したい場合必要な広さは、仕上りで最低5畳程度(元のお部屋が8畳以上)。ドラム以外の使用楽器があれば、使用楽器や人数を考慮してのプランニングが重要です。

ただし、上記の必要畳数はあくまで目安ですので、ドラム以外に使用楽器がある場合や、ドラムセットのセッティング、メーカーやサイズ、使用環境、さらには個人の感覚によっても異なります。

天井の高さについても考えてみましょう。
既存の天井高や構造等によっても変わりますが、電子ドラム防音室でおおよそ350~500㎜、生ドラム防音室はおおよそ650~750mm程、仕上りの天井が狭まります。

天井の高さが2,100㎜よりも下回る場合、天井が低いことにより圧迫感がかなり出てきてしまいます。その場合、居心地が良く音楽を楽しめるお部屋とは言えませんので、注意が必要です。

ドラム防音室を造るコンセプト(目的)や使用用途を考えた上で、しっかりとした遮音性能だけではなく、音楽をより楽しむことのできる防音室にするプランニングをしていきましょう。

庭置き防音室ってどうなの?


いただくご相談で時折あるのが、「庭に防音室を置きたい」「庭にある倉庫を防音室にしたい」「敷地内にコンテナを置いて、それを防音室として使用したい」といったもの。
庭にスペースがあるから有効活用できれば・・・お気持ちはよくわかりますが、簡単な話ではありません。

なぜなら敷地内であっても、庭に防音室を造るということは、屋外に防音室を施工できる部屋を造らなければならないということ。それは、家を新たに建てるのと同じことになるのです。

倉庫やコンテナも、もちろんそのままの状態では防音室としては使用できません。
家を新たに建てるということは、建蔽率や容積率(建築基準法の基準)等を満たす必要が生まれます。
(倉庫やコンテナの場合、庭に設置した倉庫やコンテナが建築物に該当しなければ建築基準法に適用はされませんが、「随時かつ任意に」動かすことができなければ建築物とみなされ、建築基準法の適用が必要になります。)

建築基準法以外にも、固定的に使用する設備(防音室のみで言うと電気配線の引き込み)や外構など・・・様々な問題があります。
またコンテナやプレハブは、元々の天井高が低いケースが多いため、上記と併せて天井高の問題をクリアできないと難しいと言えるでしょう。

メリットとしては、注文住宅と同様に、ハウスメーカーと協議の上で防音室のプランニングが可能である点や、それによって天井高もとりやすくなるという点があります。また、ドラム教室やレンタルスタジオとしての使用目的がある場合、動線が良く、使いやすいという点もありますね。

さらには、住空間とは別の建物をドラム室とすることで、家庭内騒音は大幅に軽減されます。
ドラム防音室を造りたい目的や用途、そして費用等を考慮し、プランニングしましょう。

まとめ


新築戸建て住宅に、ドラム防音室を計画する際のメリットがわかりましたね!
建物本体工事のハウスメーカーや工務店様と、防音工事業者が連携することで、用途や目的に合ったゆとりのある家造りが叶います。

ドラム防音室を造りたいが、なにから手を付けていいかわからない・・・そんな方もいらっしゃるかと思いますが、「防音」という観点で言うと、ハウスメーカーや工務店様も一般の方とあまり変わりありません。

新築戸建て住宅にドラム防音室を計画する場合、ご相談は早いに越したことはありません。まだハウスメーカーも土地も決まっていない状態で、お問い合わせを頂くことも多々ありますので、お気軽にご相談下さいね!