『一般住宅にリハーサルスタジオを造る』|リハーサルスタジオの施工例などもご紹介

自宅でいつでも楽器を演奏したい!歌いたい!……そんなミュージシャンたちの夢は自宅にリハーサルスタジオを造ること。
ではそもそも、近隣や家庭内に迷惑を掛けずに音楽を楽しめるスタジオとは、どんな自宅にも造ることができるのでしょうか?そして、どのような構造になっているのでしょうか?

一般住宅でのリハーサルスタジオで大切なこと

D.S.Pコーポレーション施工のスタジオ

一般住宅でのリハーサルスタジオで大切なこと

レコーディング前に行う歌唱や演奏の練習や確認をするための設備等が常備されている部屋や、機材を持ち込んで練習や確認ができる部屋を指します。

個人での使用からバンドでの演奏まで、大音量での演奏が叶いますね
街には多くのリハーサルスタジオがありますが

  • 予約の手間
  • 自分の楽器で演奏するために運んで設置する労力
  • スタジオ使用料

などの問題により、演奏から遠ざかってしまったなんていう話よく聞きます。
思い立った時に演奏ができるよう、自宅にリハーサルスタジオがあったら最高ですよね。

自宅にリハーサルスタジオを造る上でなにより大切なのは、安心できる演奏環境を叶えるために「近隣に音や振動を伝えてはいけない」ということです。

通常音には、鳴らした音が空気を振動させて伝わる空気伝搬音と、振動が建材を通して伝わる固体伝搬音の2つがあります。伝わり方が異なるため、防ぎ方も当然違ってきます防音を検討するときには、リハーサルスタジオとして使用する用途やコンセプトから、防ぎたい音の種類をしっかり見極めることが重要になります

例えばピアノの場合は約90~110dB、生ドラムの場合は約100~120dB、サックスや金管楽器の場合は約110~120dB、エレキギターをアンプやスピーカーに繋いで演奏する場合は約120dB程度の音の大きさがでます。

これは直接耳に届く、空気を振動させて伝わる空気伝搬音。

加えて、楽器から発せられる重低音やペダル操作時に伝わる振動、アンプやスピーカーなどの床へ直接伝わる振動は、固体伝搬音になります。

音は床を伝わり、また壁や天井、床に入射した音が物体内に伝わり外部へ放射されるため、自宅にリハーサルスタジオを検討する際は、用途や目的から「音のパワー」「低音から高音までの幅広い音域」「床から直接伝わっていく振動」に対策が必要になります。

ただしRC造の集合住宅で、既存のスラブ厚が大きいものや、既存の天井高が高いものは、生ドラムを設置するリハーサルスタジオを施工することが可能な場合もあります。

木造戸建て住宅の場合、2階の段階で掛けられる耐荷重に限りがあるため、スペックの高い防音室は荷重の問題から施工が厳しく、建物計画時に耐荷重を考慮した構造設計が必要になります。

次にお部屋の広さ

リハーサルスタジオとして一室丸ごとリフォームをする場合、現状より大分小さい仕上がりとなります。

例えば元が8畳のお部屋をボックスインボックス構法で生ドラムを設置できる防音室に施工した場合は、仕上がり内寸で約5畳になります
仕上りの広さを考慮した上で、リハーサルスタジオを造りたい目的に合ったお部屋にしなくてはなりません。

バンド練習として使用したい場合に必要な広さは、仕上りで最低5畳程度。もちろん部屋に入る人数や楽器を考慮してのプランニングが必要です。
ただし必要畳数はあくまで目安ですので、バンドセッティング、メーカーやサイズ、使用環境、さらには個人の感覚によっても異なります。

リハーサルスタジオが居心地のいい空間になるよう、広さや高さ、空調・照明の快適さを考慮した設計施工が求められます。

リハーサルスタジオの遮音・防振構造について

まず防音室では、壁・天井・床に対して遮音・防振構造(浮遮音層)が基本的に必要です。
浮いている空間(浮遮音層)を造ることにより、楽器から鳴る音はもちろん、キックペダルを踏むことで床に伝わる振動やアンプ・スピーカーから床に伝わる振動などの固体伝搬音も減衰させる防振構造となります。

遮音・防振設計の必要性

このように、「お部屋(箱)の中にもう一つお部屋(箱)を浮き構造で造ること」を「ボックスインボックス構法」といいます。

防音室内側の遮音部分と既存の遮音部分により、総合的な遮音性能がとれるようにすることで、防音性能の高い防音室となるのです。

次に換気扇などの開口部

防音室は構造上、隙間がなく気密性がとても高いお部屋のため、通常の部屋よりも空気の入れ替えがしづらいものです。
建築基準法で、室内の24時間換気が義務付けられていることはもちろんですが、気密性の高い防音室内の湿気や空気の入れ替え・健康面という観点からも換気口を無くすことはできません。

防音室での換気口は、防音効果の高いものを使用し、そこからの音漏れを防ぐ必要があります。

リハーサルスタジオの遮音性能目標値

音が伝わることを「音の伝搬」と言い、壁があれば音は小さくなり、これを「遮音」と言います。この音の小さくなる値は「D値」で示されます。

例えばドラムを120dB で演奏し、隣の部屋で50dB の大きさで聞こえるケースでは、遮音性能は120dB から50dB を引いた数値、すなわち“D-70”と示します。

D値とは

リハーサルスタジオでは、使用楽器や使用用途、隣室や上下階などの近隣状況などによって必要な遮音性能が変わります。

特に、使用される楽器や音楽の種類により必要な遮音性能は異なりますが、生ドラムを設置するリハーサルスタジオでは、平均D-70程で施工します

近年わずかな音でも近隣からの苦情になることが多々あり、また同じ家庭内で暮らしていても、生活リズムや趣味の違いから、個人が出す音が騒音になってしまうことがあります。

遮音性能のしっかりととれているリハーサルスタジオを造らなくては、安心して音を楽しめる環境にはならないでしょう。

リハーサルスタジオの音響設計について

D.S.Pコーポレーション施工 サッシタイプのピアノスタジオ

遮音・防振がしっかりととれたお部屋でも、室内音響設計等の音場計画が施されていなければ、居心地のいいリハーサルスタジオにはなりません。

リハーサルスタジオを使用する用途やコンセプトに基づいて、バランスのいい音場にするための室内音響設計が重要です。

室内音響設計でまず大切なのは、お部屋の形状を不整形にすること

対面する壁が平行である場合、 壁と壁の間で音が減衰することなく行き来し、低音域では部屋の寸法に応じた定在波が、高音域ではフラッターエコーという音響障害が生じてしまいます

室内に平行となる面を少なくすることで、音の拡散性を高めましょう。

次に、空間における音の響きの調整を行うこと

空間における音の響きを測るための尺度を「残響時間」と言いますが、具体的には音源の振動が止まったタイミングから、音圧が60dB減退するまでの所要時間を測ったものです。

残響時間は長ければそれだけ音の響きが良く聞こえますが、音の響きで重要なのは「バランス」。響きが強すぎると演奏の妨げになり、極端に響きが少なすぎると音楽に違和感が生じてしまいます。

一般的に、最適な残響時間は下記の計算式で求めることができます。

最適な室内残響時間を求める式

平均吸音率を20~30%にすることで最適な残響時間になり、室内の容積が増えれば最適残響時間が長くなります。
しかし実際のところ、最適な残響時間に合わせた設計だけでは、バランスのいい音場にはなりません。

用途や環境、音楽の種類によって適切な残響時間は異なることに加えて、吸音面と反射面の位置によっても音の聞こえや音質は異なるため、楽器の特徴やセッティング、マイクポジションを考慮した上での室内音響設計が求められます

またリハーサルスタジオでの音響で、忘れてはいけないのは電圧
電圧が変わるとアンプのパワーも変わり、響きも変わるため、使用するアンプが海外製のアンプであれば、電圧を調べ、それに対する対策をとらなくてはなりません

具体的には、ブレーカーから専用回路を新規で施工し、降圧するといった方法があります。

既存の建物の構造や形状、壁や天井、家具等の状況によっても固有の響きが生まれます。
プランニングの段階からスタジオ完成後に、お部屋の広さ(面積・容積)に対して、適切な拡散処理の施し、吸音面・反射面の調整、スピーカーの最適な設置方法等まで、リハーサルスタジオのコンセプトと用途に合わせた音響設計をしていきましょう。

リハーサルスタジオを自宅に!|施工例をご紹介

  • スタジオが家の近くにない
  • スタジオに行くまとまった時間がとれない
  • レンタル料が突然値上げした

レンタルスタジオへ行きたくても足が重たくなってしまう理由は人それぞれ。
自宅にリハーサルスタジオを造るメリットも様々です。自宅にリハーサルスタジオを施工された施主様の生の声をご覧ください。

バンド練習のできる一般的なスタジオをイメージの上、ドラムスタジオをご自宅に施工されたT様。T様の「あったら良いな」が詰まったスタジオが完成しました。

リハーサルスタジオGREATEST HARMONY THEATER様。
バンド活動の拠点として約24畳のスタジオを造られ、様々な用途でご使用されています。
スタジオで演奏されているyoutube動画も掲載されていますので、ぜひご覧ください。

まとめ

自宅にリハーサルスタジオを造る際のポイントがわかりましたね!
コンセプトや用途を明確にして、どのようなリハーサルスタジオにしたいのかを一緒にプランニングしていきましょう!
まずはお気軽にお問い合わせください。

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